石垣修復情報

丸亀市

第1回丸亀城石垣復旧事業報告会

   丸亀城の石垣復旧事業について、7月7日(日)に「第1回丸亀城石垣復旧事業報告会」を開催し、市民ら約80人のご参加をいただきました。
 報告の概要並びに発表資料は、以下のとおりです。 

①    丸亀城全体の取組み


    丸亀城の石垣復旧は、国・県から財政支援等を受けながら最重要課題として市全体で取り組んでいます。
築城から約400年あまり経過している丸亀城は、今回崩落した石垣だけでなく、他の箇所においても老朽化による劣化がみられ、特に三の丸北石垣では、本年度より石材にゲージを設置して観測し、定点からの変位観測や地質・水位調査を行っていきます。
 また、お城全体の保存活用を計画的に取り組むため「丸亀城跡保存活用計画」を本年度から2年をかけて策定し、計画的な整備につなげていきたいと考えています。

②    丸亀城の歴史と石垣崩落


 今回崩落した三の丸坤櫓跡石垣は、江戸時代に崩落した記録があり、度々修理がなされていたようです。
 平成30年7月7日、最初の崩落は帯曲輪南面で起こり、ギリギリという音とともに石垣がゆっくりとそのままの状態で滑っていきました。
 平成30年10月8日、石垣内部の栗石がガラガラと下に落ちる音が聞こえ、10時17分、帯曲輪西面がガラガラと大音響とともに白煙が約1分間舞い上がり崩落しました。崩れ方が帯曲輪南面と違い一瞬で石垣が崩落しました。
 翌9日の早朝、午前4時頃、周辺住民の方から大きな音がしたと市役所に通報があり、午前6時22分、職員が三の丸坤櫓跡石垣の崩落を確認しました。

③    石垣崩落の発生メカニズムの推定


   丸亀城は亀山の上に築造されているが、基礎となる岩盤は安山岩と花崗岩であり、本丸から南西方向に傾斜しており、雨が降って盛土内に浸透した水が、南西方向へ流れやすい地形と考えられます。
 現在ある計測データや写真を元に、現時点で推定される崩落発生メカニズムについては、最初に崩落した帯曲輪南面は、崩落後の写真で表面に石垣が見えることから、すべり破壊(いわゆる、円弧すべり)を起こしたと考えられます。
 帯曲輪南西面の石垣前面には、崩落前に大型土のうを設置していましたが、崩落後にはこの大型土のうが見えなくなるほど、背面の土が覆い被さっているため、前に倒れ込むように破壊したのではないかと考えられます。
 帯曲輪石垣が崩落した次の日に三の丸石垣が崩落しているため、下部の抑えがなくなったことで、直線もしくは円を描くように崩れたと考えられます。
 今後、事業を進めながら、崩れた石垣の位置を特定することや、残っている根石や基礎部分を確認することで、現時点で考えている崩落メカニズムの妥当性の検証を進めてまいります。

④    応急対策工事の完成


 崩落の被害がこれ以上広がらないように、4つの応急対策を行いました。
(ア)旧城内グラウンドまで落ちた石垣が、これ以上崩れて拡がらないように大きな土のうと 砕石を入れたネット
状の袋で押さえ盛土工事を行いました。
(イ)崩れた部分の土が急な角度になっていたため、緩い勾配にして、表面をモルタルで吹き付けて覆い、雨がし
み込まないよう斜面安定工事を行いました。
(ウ)(イ)の斜面を安定させる工事に合わせて、崩れた石垣の両側およびえぼしの様に尖った部分の不安定な石
垣を取り除く石垣撤去工事を行いました。
(エ)三の丸に降った雨が、これ以上、土の中にしみ込まないように表面排水処理工事を行いました。
2月の時点では、訪れる人々がさらに崩れるのではないか?と不安になるような状況でしたが、応急対策工事が梅雨までに完成したことにより、雨による、さらなる崩落は防げるようになったと考えています。

⑤    課題克服と組織体制


   丸亀城の石垣を復旧する上で現在考えられる課題は10項目あり、それらの課題を、丸亀城の全体の整備に関して設置された7人の委員から成る「史跡丸亀城跡調査整備委員会」および、石垣崩落を機に石垣に関しての専門的な調査及び 審議を行うために設置された5人の委員から成る「丸亀城石垣復旧専門部会」で審議し、了承を得ながら事業を進めていきます。
組織体制としては、優先交渉権者となりました鹿島建設が、石垣復旧工事経験者を現場配置すると共に全社を挙げた総力体制の提案を行っており、丸亀市でも「石垣復旧工事室」と「文化財保護室」がタッグを組んで全力で取り組んでいきます。

⑥    本格的復旧整備事業(5ヵ年)


 修復しなければならない石垣は約6,000個で、令和6年3月末までの5ヵ年での復旧を目指しています。
具体的には、令和2年度末までに三の丸石垣、崩落石垣、帯曲輪石垣の解体撤去を行い、令和3年度末までに帯曲輪石垣の復旧を行い、また、令和5年度末までに三の丸石垣の復旧を終え、事業の竣工と考えております。

⑦    分科会からの報告

  (1)広報分科会

 石垣の復旧事業にあたっては、市民の皆様方に対して積極的な情報発信、そして情報共有が必須であると考えています。
 「広報丸亀」では昨年11月号から特集記事を連載し、丸亀市ホームページでは専用ページ「石垣修復情報」を作成し、随時最新の情報を掲載しています。

 (2)工事分科会

   今回崩落した箇所は、もともと文化財保護室が修理工事を崩落前から計画しており、石垣の測量図面や写真などの資料は一通りそろっています。併せて、石材番号の符番ルールや、解体範囲の検討なども進められていました。  
 これらの資料や検討が今後の復旧工事においても様々な面で基準となるものとして非常に役立っており、ゼロからのスタートではなく、一歩も二歩も進んだところからスタートすることができています。

 (3)財政分科会

 丸亀城石垣復旧に対する寄附へのお礼として、今年4月より「丸亀城石垣復興城主証」を、お渡ししています。(募金箱は、特定できないため対象外)
この復興城主証の特典としましては、被災した石垣が復旧するまでの間であれば、何度でも無料で丸亀城天守に入場できることとなっています。
7月3日現在において、「がんばれ丸亀城応援募金」をはじめとした募金・寄附金の合計額は3億1,151万7,381円となっており、今後、有効に活用させていただきます。

 (4)保存活用分科会

 全市一丸となって石垣復興に取り組む姿勢を示すために、シンボルマークを作成し、各種ポスターやチラシへの掲載等広く活用しています。
イベント用に丸亀城を模した巨大募金箱を作成し、お城まつりやニッカリ青江の展示会などでは、多くの募金をしていただきました。
城内観光案内所では、「がんばれ丸亀城カンバッジ」、「がんばれ丸亀城ピンバッジ」、「揚げぴっぴ骨付鳥味」、「丸亀城重ね押しスタンプラリー」など募金付商品を数多く販売しています。


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